実験レビュー - ドクターコース
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ポストドクターコース(中学1~3年生)「コロイドの科学」
水に物質が溶けているものを水溶液と呼びますが、溶けるとはどういうことなのでしょうか? -
ドクターコース(小学5~6年生)「電子部品のはたらき」
今回のポイントは「はんだ付け」の練習。 比較的溶けやすい金属の合金である「はんだ」を「はんだごて」で熱して溶かし、基盤に電子部品を取り付け電子回路を作製しました。
まずは今回使用する電子部品の確認。抵抗、トランジスタ、コンデンサ、LEDなどを実物を手にしながら、その働きと注意点について確認しました。
そして、いよいよはんだ付けの練習。電子回路製作の基本であり、この操作に慣れる事はとても大切です。 人生初のはんだ付けの子も多く、はじめは緊張してなかなかうまくいかないものの、徐々に慣れていきます。
抵抗を使った基礎練習をクリアしたら、次は回路を作製しLEDを光らせよう!にチャレンジ。 徐々に腕を上げてきたので、しっかりクリアできました。
そして最後に、トランジスタ、コンデンサ、LEDを各2個ずつ使用した、少々複雑な電子回路を作製しました。 何か所か隣の接着部分が近いところがあり「となりまではんだがつながっちゃった」など少々苦労しましたが何とか完成。
「はんだづけ楽しい!ずっとやってられる!」という子もいましたが、次回はさらにレベルアップするので集中力が必要になります。 「ライントレーサーロボ」の無事完成を目指して次回からもがんばりましょう!
栄光サイエンスラボ 麻布十番校
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中学受験コース(小学5~6年生)「磁石を作ろう」
「磁石を作ろう」
今回作るのはネオジム磁石や一般的な磁石として使われているフェライト磁石などの永久磁石ではなく、 電気を流している間だけ磁力をもつ一時磁石です。
◆永久磁石(棒磁石、馬てい形磁石など)電磁石は導線を巻いてコイルを作り、中に鉄芯を通すことで作る事ができます。
今回は100回巻き・200回巻きの2つの電磁石を作り、磁力の強さを検証しました。
◆導線をグルグル電磁石に電流を流し、クリップをどれだけつり上げられるかを調べます。
左:100回巻き・電池1個、右:100回巻き・直列つなぎ電池2個
【200回巻き・電池1個】この実験から次の要素が電磁石の磁力を強くできることがわかりました。
①導線の巻き数を増やす。
②電流を大きくする。
また、電磁石から鉄芯を抜いてコイルにしてみると・・・
全くつり上げられなかったことから、鉄芯が無いコイルは磁力が非常に弱くなることがわかりました。
また、電磁石の仕組みを理解するため、導線一本に電流を流し、発生した磁力を方位磁針で検出する実験を行いました。
電流を流すと方位磁針の針が動きました。つまり、電流が流れている導線から磁力が発生しており、導線を巻きつけた電磁石は発生した磁力の集大成であったのですね。
しかも、発生する磁力・電流の向き(+-)には密接な関係があることも分かりました。
受験において、この辺りはバッチリ出ますので、家でも実験して復習することをお勧めします。次回は電磁石の性質を利用したモーターについて実験します。お楽しみに
栄光サイエンスラボ センター北校
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ポストドクターコース(中学1~3年生)「分離の化学」
今月のテーマは「分離の科学②」
ものを分ける事に注目した実験です。
身の回りにあるほとんどのものは、色々なものが混ざっています。例えば、オレンジジュースには、水・糖分・果汁などが含まれていますね。
その混ざったもの(混合物)は何が入っているのかを調べたり、混合物から必要なものだけを取り出すとき、分離の技術が使われます。今回の実験では、水性インク、油性インクの成分を調べるためにペーパークロマトグラフィーを行い、 植物の葉緑素を調べるためにシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行いました。
【ペーパークロマトグラフィー】 水性インクを紙に付け、その紙の下部を液体に浸けます。 そうするとジワジワと液体が紙にしみこみ、水性インクの成分がしみこんできた水に運ばれるという仕組みです。
実際の実験結果です。
成分によって運ばれ方に違いが生じ、結果として分離されるわけですね
では水性インクに使った水で、油性インクを分離するとどうなるでしょう?
◆左:水、右:アルコール
油性インクは水では変化ありませんでしたが、エタノールによって成分が運ばれました。 このことは油性インクとアルコールの親和性(仲の良さ)が高いから起こるのです【シリカゲルカラムクロマトグラフィー】 ほうれん草から葉緑素を取りだし、分離する実験も行いました。
写真の細い管には、シリカゲルが入っています。(お菓子の乾燥剤と同じ構造を持つものです)
ほうれん草をすりつぶして出てきた液体を管に入れ、液体を管に流すことで様々な色の色素が分離できましたペーパークロマトグラフィーは半紙のような水に丈夫な紙で手軽に行えます。色々な水性インクを分けてみると面白いですよ
栄光サイエンスラボ センター北校
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ポストドクターコース(中学1~3年生)「エネルギー変換」
「エネルギー変換」
今回は、様々なエネルギーを変換することによる「発電量」について考えました。
■実験1■ ~ペルチェ素子を使ってみよう~
直流電流により冷却・加熱などを自由に行える「ペルチェ素子」という不思議な電子部品を使って実験をしました。
▲「片面が冷たくて、逆側が温かい」 電流を流すと冷却された面と加熱された面に分かれました。次に、ペルチェ素子の片面ずつ冷却と加熱をするとどうなるか確かめました。
▲「豆電球が光った(ビックリ顔)」この実験を通して、ペルチェ素子の面を冷却・加熱し、温度差を作ることで発電することを確認できました。
■実験2■ ~手回し発電機を使ってみよう~
次は手回し発電機を使用して、回した時の豆電球の様子と発電機に電池をつないだ時の変化を観察しました。
▲「豆電球が光りました」
▲「電池をつないだら、勝手に発電機が回った・・・」■実験3■ ~太陽光パネルを使ってみよう~
太陽光パネルに豆電球をつなぎ、白熱球で照らしました。▲「光ったけど、あまり意味がないような気がする。。」
この実験で生徒たちは、エネルギー変換の意味合いについて考えることができました。
■実験4■ ~発電量を調べよう~
最後に、電流計と電圧計を使って「ペルチェ素子」「手回し発電機」「太陽光パネル」による発電量について調べました。
▲「それぞれの方法でどれくらい電気が作られているかハッキリ分かるね」体感やイメージではなく、計測器を使って定量的に比較することで明確な差を実感できました。
私たちの生活に必要な電気を生み出すために、どのような方法が効率的なのか全員で考えました。 生徒たちが大人になるころには、より大量の電気をより安全な方法で作り出せる方法や施設が存在してほしいものです。
栄光サイエンスラボ 自由が丘校
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ポストドクターコース(中学1~3年生)「発熱反応と吸熱反応」
「発熱反応と吸熱反応」
今回は、様々な反応による「熱」について学習しました。
■実験1■ ~発熱反応1~
生石灰に水を加えた時に発生する熱量を目や肌で感じました。
▲「生石灰に水をかけたら、袋が膨らんできました」
▲「紙コップ、あつっー」
▲「時間が経ったらしぼんじゃったー」この実験を通して、反応熱によって水が水蒸気になることで体積が膨張することを確認できました。 また、袋が縮む様子から、冷えることで水蒸気が水に戻り、体積が縮小したことにも気づけました。
■実験2■ ~発熱反応2~
次はカイロの発熱に関する実験です。 カイロの中に入っている「鉄粉・水・食塩・バーミキュライト・活性炭」のうち、発熱に関係がある物を探しました。
▲「水か食塩水が入っていないと全然温かくないなー」
▲「やっぱり、水よりも食塩水の方がしっかり熱が伝わる」鉄粉が酸化鉄になるときに発生する反応熱。純粋な水より食塩水の方が速く反応させる事を体感できました。
■実験3■ ~吸熱反応1~
重曹(炭酸水素ナトリウム)とクエン酸を混ぜたものに水を加え、温度変化を測定しました。
▲「確かに冷たいなー」
▲「10度くらいかな」■実験4■ ~吸熱反応2~
最後に、尿素と硝酸アンモニウムを混ぜたものに水を加えました。 実験3同様の吸熱反応ですが、使用する薬品によって温度に差が出ました。
▲「こっちは、4度くらいまで下がった―」体感ではなく、温度計を使って定量的に比較することで明確な差を実感できました。
「変化」するには何かしらの「熱」が関係することがほとんどです。 視覚的には確認することが難しい温度変化を、様々な角度から実験することで生徒たちの記憶に残ってもらえたら嬉しいです。
栄光サイエンスラボ 自由が丘校
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ポストドクターコース(中学1~3年生)「電熱線の科学」
「電熱線の科学」
日々の生活で欠かすことのできない電気。 その身近な電気の力はどのようにして使われているのでしょうか? 電気は様々な働きをしますが、今回は電気の力を熱に変える働きについて探りました。
まず、電池、豆電球、ニクロム線をつないで回路を作りました。 ニクロム線に通電させる距離を変えながら、豆電球の光り方を見ました。 短いときと長いときで豆電球の光り方がちがいましたね。
次の実験ではそれを数値化するために、電流計を使って、光り方の違いを数値で捉えました。 通電させる距離を5㎝、10㎝、15㎝と変えると、電流値が小さくなっていきました。
しかし、その数値は理論値とは異なっていました。 その理由は難しいものでしたが、予想とのズレを考察する事はとても大切な事です。さらに、高温になると色の変わるサーモテープをにニクロム線に貼り、 ニクロム線の通電距離や太さによる発熱の違いを見ました。 通電距離が短く、太いほうがより発熱しやすいことが分かりました。
これを踏まえて、太さのちがうニクロム線を並列や直列につないだときの発熱を観察しました。
◆左:ニクロム線の並列つなぎ 右:ニクロム線の直列つなぎ
多くの生徒さんの予想とは違う結果となりましたが、きちんとした理論に基づく理由があります。その理由を1つひとつ考えて、理解できるようになりました。次回もお楽しみに