実験レビュー
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ドクター・中学受験コース(小学5~6年生)「木炭の秘密」
ドクターコース、ならびに中学受験コースの実験は「木炭の秘密」。
木材を乾留(むし焼き)にして木炭を作り、その際に起こる熱分解について学ぶ実験です。まず初めに、乾留を行う前の木材の重さを量ります。乾留による重さの変化を調べるためです。
そして、木材を試験管に入れ、試験管の口が少し下がるように試験管ばさみに固定して、アルコールランプで加熱します。
しばらく加熱すると試験管内が白くくもり、小さな水滴がつき始めて、木材の下が黒く焦げていきました。 さらに加熱を続けると、黄色い液体が試験管の口にたまり、加熱部分近くにはこげ茶色のねばねばしたものが付きました。
そして、試験管の中にたまった白い煙がガラス管から漏れてきたので、そこに火を近づけると、炎を上げて燃えました。
これらのことから、木材を加熱分解すると、よく燃える気体の「木ガス」、うす黄色でさらさらした液体の「木酢液」、焦げ茶色でねばねばした「木タール」、真っ黒な固体の「木炭」に分かれることがわかりました。
さらに、試験管の中の木酢液を取り出し水で薄めて、リトマス紙につけて色の変化を確認しました。結果、赤リトマス紙はそのまま、青リトマス紙が赤く変化したので、木酢液は酸性だとわかりました。
続いて、木炭の重さを量りました。
乾留前の木材が1.08gだったのに対し、乾留後の木炭は0.25gと1/4程度まで軽くなっていました。
この実験から、木材から木ガス、木タール、木酢液が抜けて木炭になったため軽くなったことがわかりました。
さらに、木材と木炭それぞれを加熱して燃焼させ、その様子の違いを確認しました。結果、木材はほのおを上げて激しく燃え、木炭は炎をあげずにゆっくりと燃えました。
木材には、木ガスや木酢液など熱すると気体になって燃える成分が含まれているため、炎を上げて燃えることがわかりました。
熱分解については、木材のほかに重曹(炭酸水素ナトリウム)でも観察することができます。 マスター(小3,4)コースの「カルメ焼きを作ろう」という実験で行っていますので、テキストを保管してあればぜひ見直してください。
栄光サイエンスラボ 麻布十番校