実験レビュー
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ドクターコース(小学5~6年生)「燃えない紙コップ」
ドクターコースの実験は「燃えない紙コップ」。
熱の伝わり方と燃焼の条件に関する実験です。1つめの実験では、熱の伝わりやすさの違いを確かめるため、お湯を入れたビーカーを、濡れた軍手と乾いた軍手をつけて同時に両手で触りました。
すると、はじめは濡れた軍手のほうが少し冷たく感じますが、少し経つと濡れた軍手の方が熱くなってきました。 乾いた軍手には熱の伝わりにくい気体の空気が含まれているのに対して、濡れた軍手には熱の伝わりやすい液体の水が含まれているからです。2つめの実験は、熱を伝えやすい物質の代表でもある金属の中での熱の伝わりやすさの違いを確かめました。
鉄、銅、アルミニウムの針金に、温度が上がると色が変わるサーモテープを巻き付けて束ね、ろうそくの火で端をあたためます。 しばらくすると、銅、アルミニウムの順に色が変わり、鉄はなかなか色が変わりませんでした。
このことから、銅、アルミニウム、鉄の順に熱が伝わりやすいことがわかりました。最後に、実験のタイトルでもある「燃えない紙コップ」の実験を行いました。
紙コップにろうそくなどの炎を近づけると燃えるのは一見当たり前ですが、「なぜ燃えるのか」を科学的に説明しようとすると、考えてしまいますよね。 (「温度が高い炎の熱が紙コップに伝わって、紙コップの温度が発火点(燃え始める温度)を超えるから」となります。)
それを確かめるために、水を入れた紙コップの底をろうそくで加熱し、水の温度変化を測ったり、紙コップ中の様子を観察しました。
すると、水の温度は上がっていき、紙コップは燃えませんでした。さらに加熱を続けると、紙コップの底に泡がつき、そこだけ焦げました。
このことから、炎から紙コップに伝わった熱が中の水に移り熱が逃げることで、紙コップの温度があまりあがらず燃えないこと、 コップの底に気体の泡がつくと、そこだけ熱があまり逃げずに紙コップの温度が上がり焦げることがわかりました。紙コップに何も入れずに炎を近づけると燃えるのも、中に水ではなくて空気が入っていて紙コップの熱が逃げにくいからだとわかりました。
今後も、実験を通して、一見当たり前のことを科学的に解析していく力を身につけていきたいと思います。
栄光サイエンスラボ 麻布十番校
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