実験レビュー
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ドクターコース(小学5~6年生)「燃えない紙コップ」
今回の実験テーマは燃えない紙コップです。
「紙」で作られたコップに火を近づけても燃えない・・・?
いやいや、燃えますよね・・・と思われたのではないでしょうか。実は紙コップも、ある条件を満たすと燃えません!
そのカギを握るのが「熱」です。
今回は、「熱」の伝わる仕組みを実験で探りました
まず始めに、金属の熱の伝わり方を調べました。
実験の様子がコチラです。
銅、鉄、アルミニウムの3種類の金属の棒をペンチでつかみ、端をろうそくの炎で加熱します。
すると、熱はジワジワと棒を伝わっていきます。これを「熱の伝導」と呼びます。
また、写真のように熱で色が変わるテープを巻きつけておいて、テープの色の変化から、熱がどう伝わるかを調べました。
すると、熱を伝えやすいのは銅→アルミニウム→鉄の順番だとわかりました!
同じ固体の金属でも、熱の伝わり方には違いがあるのですね次に、いよいよ「燃えない紙コップ」の実験です。
かまどの真ん中に、水の入った紙コップを設置して、ろうそくの炎で下からあぶりました。
すると・・・
不思議な事にコップの底にコゲのような模様はできるのですが、紙コップが燃える事はありませんでした
ちなみにこの時の温度は70℃でした
まるでヤカンで湯を沸かしているみたいですね一般的に紙の発火点(燃え始める温度)は、230℃と言われており、ろうそくの炎は750~900℃と言われています。
ですから、炎にあぶられた紙は発火点を超えて燃え始めます。
ではなぜ燃えなかったのか・・・これを生徒のみなさんと考えました。
すると「コップに水が入っている」「水の温度が上昇した」というポイントに気付いてくれました。
考えをまとめると、炎の熱が伝導で紙コップから水に伝わり、 熱は水を温めるために使われたから、紙コップは発火点まで行かない(=燃えない)という結論になりました。一見不思議なことも、一つ一つの現象の積み重ねで起こっていることがわかりましたね