実験レビュー

  • ポストドクターコース(中学1~3年生)6月実験レビュー「「物質の分解」」

    今月のテーマは「物質の分解」
    物質に注目する化学の分野の実験です

    「分解」をやさしい言い方にすると「バラバラにする」ですね。
    化学の世界では、分解は「Aという物質から、BやCという物質に分かれる」と考えます。
    ただバラバラにする、という訳でなく、ルールに従って分かれているといった感じです。

    こう聞くと難しそうですが、実は身の回りで分解はよく起きているのですよ

    ◆重曹(炭酸水素ナトリウム)の熱分解
    重曹はお掃除に使われる以外に、ベーキングパウダー(ふくらし粉)としてホットケーキミックスなどに入っています。
    一体どういう反応を起こすのか、このような装置を組み立てて実験しました

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    ★実験装置:左のビーカーは石灰水入り         ★加熱中

    重曹が入っている場所を加熱すると・・・
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    ★最初は膨張した空気がボコボコと出てきて、しばらくすると石灰水が白く濁りましたね
    石灰水が白く濁る・・・これは「二酸化炭素」が発生したのですね。

    さらに、試験管にも注目してみると・・・
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    ★試験管になにやら液体が・・・正体を調べてみましょう
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     ★使うのは塩化コバルト紙です。    ★液体につけると「青⇒赤」に変化 「水」の存在が確認できました

    結果をまとめると、重曹を加熱すると、「二酸化炭素」と「水」が発生することがわかりました。
    さらに実験では、試験管に残った白い物質が「炭酸ナトリウム」に変化したことも確認しました。

    ホットケーキミックスに重曹が入っているのは、生地を焼く時に重曹が熱分解反応を起こし、生地の中で二酸化炭素を出すためなのです。
    二酸化炭素は気体なので、生地を内側から押してふっくらと焼きあがるということでした

    続いて、ものが燃えている時に何が起きているかも考えました。
    ◆木材の熱分解
    例えば木が燃えている時、火が見えていて、火の中は非常に高い温度ですね。
    その時に木は高温にさらされて熱分解を起こし、なにか違う物質が出ているのです。
    それを確かめる実験を行いました。
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     ★木材の重さを量っておきます。    ★ホイルで包み、加熱中。煙や臭いが出ました。
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     ★加熱後、ドロドロしたものが・・・    ★炭となった木材は-0.18グラム減!

    木材を加熱すると煙・臭い・ドロドロしたもの(木ガス、木タール、木酢液)が出てきました。
    そして木材から色々出て、残った炭が軽くなったのですね。
    木材が燃えている時は、分解して出てきた物質が燃えていると考えられます。

    物質の変化は、身の回りで常に起き続けています。
    化学の眼で、それを観察してみると、たくさんの事が見えてきてとても楽しいですね
    次回もお楽しみに

    栄光サイエンスラボ センター北校 髙久

     

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