実験レビュー
-
バチュラーコース(小学1~2年生)12月前半実験レビュー「太陽の光と影の動き」
今、何時?みなさんは、時刻を知るために時計を見ますよね。
身につけられる腕時計やアラーム機能のある目覚まし時計など至るところに時計はあります。
しかし、元々は太陽の光でできる影を使って時刻を知っていました。
今回の実験では、手作り日時計を使って、太陽の光と影の動きを調べてみました。実験で使ったのは、この日時計です。
「どうして、6から6までしかないの?」
いきなり良い質問!実験をすれば、すぐにわかりますよ!太陽の光の代わりに、LEDライトを使って実験開始です。
まずは、太陽が上ってくる東から光を当てます。
影は、西にできますね。
影が指している数字が時刻を表すので、今の時間は、午前7時です。だんだん太陽が高くなると...
影の長さは、短くなってきました。太陽が沈む西にあるとき、
午後5時を指しています。
日時計は、日の出時刻の午前5時頃から、日の入り時刻の午後7時頃までを調べることができる時計なのです。
目盛りの数字が、6から6までしかないのは、このためだったのですね。
「この時計は、夜は使えないんだね。」では、夜はどうやって時刻を知っていたのかな?
私の質問に、子供たちは「う~ん...。」と悩んでいました。日時計は、より正確な時刻がわかるように改良されていきましたが、晴れた日中しか使えない欠点がありました。
そこで、発明されたのが、水時計や火時計だと言われています。
水時計は、決まった量の水が、同じ時間で流れることを利用しています。
火時計は、同じ量のものは同じ時間で燃えるということを利用していて、ろうそくや線香、油などの減り方で時刻を読んでいました。さて、冒頭の日時計の写真は、12月のある日の午後2時30分頃に撮影したものです。
1時間ほどずれていますね。
誤差の原因として考えられるのは、
①経度による誤差
②均時差
③方位磁針による誤差
④日時計を置く場所が水平になっているか、です。日本の時刻は、兵庫県明石市の東経135°を基準に決められています。
例えば、東京はおよそ東経139°なので、同じ時刻でも太陽の見える角度に少し違いがあります。
1℃の違いが、4分の誤差になるので、東京と明石市の時刻を比べると、16分ほどの誤差になります。
これが①の経度による誤差です。②の均時差については、太陽はいつも同じ速さで動いているように見えますが、実は日々早まったり、遅くなったりしています。
この太陽の動きによっては、最大で±15分ほどずれることがあります。③は、方角を調べるために使った方位磁針です。
方位磁針の指している北は、場所によって、地球の磁力の向きとずれています。
日本では、約5°から9°の範囲で、方位磁針の針が、真北よりも西にずれています。
そのため、本来の時間との誤差が生まれます。最後に④についてですが、計算が得意な先生によると、作成した日時計は、水平面から11°傾くと、時刻が約1時間ずれるようです。
手で持ったり、傾けて測ると、大きな誤差になります。皆さんの住む地域では、春夏秋冬それぞれの季節で、影の長さに違いがあるのか、時計が刻む時刻とのずれはあるのか、など是非調べてみてください。
昔の発明家たちも、できないことをできるようにするためにどうすれば良いのか考え続けていたと思います。
欠点を見つけ、工夫をし、水時計や火時計、振り子時計やぜんまい時計を経て、現在の時計にたどり着いたのです。
先人の発明を真似てみることは、決して無駄なことではありません。
まずは、真似をする。そして、欠点にふれ、より良いものにするにはどうすればよいのか試行錯誤をする。
失敗をくり返すことが、未来を変える力になるのだと思います。